クラウドサービスOffice365導入時に必要なネームサーバー bindの設定

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弊社ではOffice用ソフトウェアとしてマイクロソフトのクラウドサービスであるOffice365を利用しています。自社内にExchangeサーバを構築しなくても手軽に同等の機能を利用できることを考えると、中小企業から規模の大きな環境まで導入の幅が広いソリューションになっています。ところで、このOffice365にはweb会議や在席状況を表示できる、lyncサーバの機能もあります。このlyncサーバは便利なのですが、利用するのがやや敷居が高い。というのも、利用するためにネームサーバーにSRVレコードという特殊なレコードを設定する必要があり、一般的なドメイン業者の提供している管理機能で設定できないのが、その理由です。
今回の記事ではlyncサーバを利用するにあたって、設定が必要になるSRVレコードの設定方法を紹介していきます。
※2015現在、lyncはSkype for Businessに機能と名称が変更されています。

1. Office365のエディションとネームサーバについて

Office365にはエディションがいくつかあり、比較的スモールビジネス向けのエディションでは、ネームサーバーをマイクロソフトで用意されているネームサーバに切り替えることで、対応ができます。
(ネームサーバとはインターネット上のサーバに設定されたIPアドレスとホスト名の電話帳のようなもので、ホスト名で入力した情報は、ネームサーバへ問い合わせされて、IPアドレスへ変換されます。)
この場合、SRVレコードを意識することなく、切り替えができますので、これで良いという環境では問題はありません。
ただ、既存のネームサーバーに設定されているゾーンを全て、マイクロソフトのネームサーバへ移行するのは、ちょっと...という企業様が殆どだと思います。
その場合、SRVレコードを利用するためには、SRVレコードが設定できるドメイン業者を利用する、もしくはネームサーバを自社で構築する必要があります。
弊社の場合、ドメイン業者はSRVレコードを設定出来なかったので、lyncを利用するために自社専用のネームサーバーを構築しました。

2. bindでのOffice365設定方法

ネームサーバーの構築は、デファクトスタンダードであるbindを利用します。
外部に公開するサーバになりますので、プラットフォームはLinux。
CentOSなどの一般的なLinuxディストリビューションの場合、yumが利用できる環境であれば

# yum -y install bind

でインストール出来ます。
(本記事では、bindの詳細な導入手順は割愛します。)
bindの基本設定は完了しており、自ドメインの名前引きができる状態である前提で話を進めます。
恐らく一番、問題となるのは、Office365を利用する場合、ゾーンファイルをどのように設定するか? だと思います。
弊社の場合、ゾーンファイルとして、以下の設定を行いました。
(追加部分のみを抜粋します。)

IN MX 0 hoge-com0i.mail.protection.outlook.com.
IN TXT "v=spf1 include:spf.protection.outlook.com -all"
;
autodiscover IN CNAME autodiscover.outlook.com.
sip IN CNAME sipdir.online.lync.com.
lyncdiscover IN CNAME webdir.online.lync.com.
msoid IN CNAME clientconfig.microsoftonline-p.net.
_sip._tls IN SRV 100 1 443 sipdir.online.lync.com.
_sipfederationtls._tcp IN SRV 100 1 5061 sipfed.online.lync.com.

通常のAレコードに追加して、上記の設定を行うことにより、lyncも利用できるようになります。
なお、追加するレコードについては、Office365の初期セットアップ時に、表示されるものを設定しています。
Office365 Enterpriseでは、DNSの設定は必須ですので、もし、お困りの場合は、お気軽にお問合せ下さい。

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