【導入事例】FortiGate 80F|静岡県の製造業で実現した中小企業のUTMによるセキュリティ強化

 こんにちは、レムシステム株式会社のエンジニア、小村(@system_kom)です。今回は、静岡県内で自動車部品製造を行う従業員約80名の中小企業様において、統合型セキュリティ機器「FortiGate 80F」を導入し、スパムメールやマルウェア、不適切サイトへのアクセスといったリスクに対して「見える化」と「予防」を同時に実現した事例をご紹介します。

 「セキュリティ対策が必要なのは理解しているが、何から始めればよいか分からない」「今のルーターと無料ウイルス対策だけで本当に大丈夫なのか不安」というご相談は、中小企業のご担当者様から特によくいただきます。本事例は、まさにそのような状態から一歩踏み出し、FortiGateを活用して実践的な防御体制を整えた導入例として、これから対策を検討される企業様の参考になる内容です。

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FortiGate導入前の状況と課題

 導入先は、自動車メーカーや一次サプライヤーと取引のある静岡県の自動車部品製造業様。社内ではファイルサーバーや生産管理システム、設計データの共有などIT活用が進んでいた一方で、セキュリティは「一般的なブロードバンドルーター+無料アンチウイルス」のみに依存していました。その結果、次のようなリスクと不安を抱えていました。

課題項目詳細
取引先監査対応 セキュリティチェックシートの提出を求められるが、具体的な説明や証跡が不足している。
メール・Web対策 スパムや偽サイトへのアクセスを社員の注意だけに頼っており、誤クリックの危険がある。
ネットワークの可視化 通信内容を把握できず、不審なアクセスや外部通信の状況が分からない。
ログ・証跡不足 通信履歴を残す仕組みがなく、事故発生時に原因究明が困難。
表1:導入前に抱えていた主な課題

 サプライチェーン攻撃が社会的な問題となる中で、「このままでは取引先や顧客からの信頼を損なう可能性がある」という危機感が高まり、第一歩としてインターネット出口を守る統合型セキュリティ機器(UTM)の導入を決断されました。ここでレムシステムにご相談いただき、現状分析と機器選定を含めたプロジェクトがスタートしました。

FortiGate 80Fを選定した理由

 レムシステムでは、複数メーカーのUTM・次世代ファイアウォールを比較検討したうえで、同社の規模・トラフィック量・運用体制に最も適した機種としてFortiGate 80Fをご提案しました。ポイントは「一台に必要な機能を集約しつつ、運用しやすいこと」です。

評価ポイント 内容
統合セキュリティ ファイアウォール、IPS、アンチウイルス、Webフィルタ、アプリ制御などを1台で実現し、多層防御をシンプルに運用可能。
性能と規模感 約80名規模のフル利用を想定しても十分な性能を確保。SSL通信の検査にも対応し、将来の利用増にも耐えやすい。
可視化と管理性 ダッシュボードで攻撃・通信状況を見える化。ログも一元管理でき、インシデント対応や監査にも活用しやすい。
拡張性 拠点間VPNやリモートアクセスVPNなど、将来的な働き方・拠点構成の変化にも柔軟に対応可能。
表2:FortiGate 80Fを採用した主な理由

 「高価で高度な機能を入れること」ではなく、現状課題を確実に解決し、今後もムリなく運用できる構成を優先して選定したことが、導入成功の土台になりました。

導入プロセス:見える化から始めるセキュリティ強化

 レムシステムが提案したのは、「まず止める」のではなく、まず正しく知る(見える化)→優先度を決めて段階的に締めるというステップです。いきなり厳しい制限をかけて業務に支障が出ることを防ぐため、次の流れで進めました。

工程内容
現状ヒアリング 業務システム・クラウド・メール環境などの利用実態を把握し、守る範囲を明確化。
ネットワーク調査 既存ルーター・セグメント構成・外部公開サービスを確認し、通信経路を整理。
FortiGate試験導入 初期段階では監視モードで設置し、スパム・不審通信・危険サイトのアクセス傾向を可視化。
ポリシー設計 可視化結果をもとに、業務に不要な通信から優先的にブロックルールを設定。
表3:導入プロセスの主なステップ

 このプロセスにより、経営層・現場担当者ともに、「どの程度まで対策すれば十分か」を納得したうえで本番運用へ移行することができました。

FortiGate設置の様子

導入による主な改善効果

 FortiGate 80Fの本稼働後、同社では短期間で「数字」と「画面」で実感できる改善が現れました。特に、スパムメール対策、マルウェア対策、Webアクセス制御の3点で効果が明確でした。

対策項目 導入前の状態 導入後の改善
スパム・不審メール 社員の判断に依存し、誤クリックによる感染リスクが高い。 危険メールを自動遮断し、利用者の心理的負担を軽減。
マルウェア侵入 端末単位の無料対策のみで、通信段階の防御が不十分。 通信段階でスキャン・遮断し、侵入リスクを根本的に削減。
Webフィルタリング 業務と関係ないサイトへも自由にアクセス可能。 カテゴリ別フィルタにより、危険・不要サイトを自動制限。
ログ・可視化 通信履歴なし。インシデント発生時の調査が困難。 攻撃や通信状況をグラフィカルに確認でき、説明責任にも対応。
表4:FortiGate導入による具体的な改善ポイント

 担当者様からは「FortiGate導入後は、どの攻撃が防御されているかを画面で確認でき、社員にも安心感が広がった」との声をいただきました。可視化されたことで「セキュリティの強化が実感できる」運用体制が整い、今後のVPN構築やリモートワーク対応にも意欲的に取り組まれています。

これから対策を始める企業へのステップ

 今回の事例は、「まだ大きな事故は起きていないが、このままでは危ない」と感じている企業様にとって、現実的で取り組みやすい第一歩のモデルケースです。レムシステムでは、次のようなステップでの検討をおすすめしています。

ステップ 内容
1. 現状把握 ネットワーク構成やセキュリティ状況を整理し、課題を明確にする。
2. 優先順位付け メール・Web・外部アクセスなど、影響の大きい部分から対策を実施。
3. 統合セキュリティ導入 UTM/次世代ファイアウォールを導入し、入口防御と可視化を一体化。
表5:中小企業が取り組みやすい初期セキュリティ強化ステップ

 すべてを一度に完璧にする必要はありません。重要なのは、「どこまで守れているか」を把握し、段階的に強化していくことです。

レムシステムのUTM導入支援

 レムシステムでは、FortiGateをはじめとしたUTM・次世代ファイアウォールの導入において、現状ヒアリング・機器選定・設計・設定・導入・運用フォローまでを一貫して対応します。特定メーカーに縛られず、お客様の規模・回線・将来計画に合わせて「やり過ぎでも不足でもない」バランスの良い構成をご提案します。

 今回の事例のような80名規模の製造業はもちろん、「まずは1拠点から始めたい」「既存ルーターの更新に合わせて見直したい」といったケースにも対応可能です。ログ運用、ルール見直し、VPN連携など、導入後の運用まで含めてご相談ください。

 静岡県・東海エリアを中心に、オンライン対応で全国からのご相談も承っています。現在の構成が分かる資料(ネットワーク図・利用中機器など)があれば、より具体的なご提案が可能です。

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