VPNで支店と本社を安全に接続|中小企業のための遠隔業務・リモートアクセス導入ガイド

 こんにちは、レムシステム株式会社のエンジニア、小村(@system_kom)です。今回は、遠く離れた拠点間のやり取りや、出張中の社内ファイルアクセスなど、「距離の壁」を感じている企業様に向けた記事です。
 近年、働き方の多様化やリモートワークの定着により、安全に社内ネットワークへ接続できる仕組みが求められるようになりました。しかし「専用線を引くのは高い」「VPNって何?」という段階で立ち止まってしまう企業様も多いのが現状です。
 そこで今回は、そうした方にもわかりやすく、レムシステムが提供するインターネットVPN導入サービスについて、仕組みと導入効果を実例を交えてご紹介します。

VPNとは?安全な“社内ネットワークの延長”

 VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用線をつくる技術です。離れた拠点同士でも、まるで同じ社内LANにいるようにファイル共有や業務アプリの利用が可能になります。通信は暗号化されるため、外部からの盗聴や改ざんを防ぎ、安全で安定したデータ通信を実現します。

 たとえば東京本社と大阪支店、さらに外出中の社員のノートPCをつなぎ、同じネットワークでファイルや業務システムを共有することができます。これにより、メール添付や無料ファイル便を使った不安定なデータ共有から脱却し、社内のどこにいても同じように仕事ができる環境が整います。

VPNが効果的なシーン

 VPNは、単に「拠点をつなぐための通信技術」ではありません。業務のやり方そのものを変え、時間・距離・場所の制約をなくす仕組みです。たとえば、「ファイルの受け渡しに毎回メールを使っている」「外出先から社内データを確認できない」といった日常的な課題は、VPNを導入することで一気に解消されます。
 ここでは、VPNが特に効果を発揮する代表的なシーンをまとめました。自社の業務環境と照らし合わせながらご覧ください。

課題VPN導入後の改善主な効果
拠点間のデータ共有にメールや無料便を利用社内LANのように直接アクセス作業時間短縮/誤送信リスク低減
外出時に社内データへアクセスできないスマホやノートPCからリモートVPN接続どこでも資料確認・編集可能
支店PCトラブル時に現地対応が必要VPN経由でリモート操作移動コスト削減/迅速な復旧
無料のクラウド共有を使っているVPNで安全な接続ルートを統一情報漏えい・マルウェア感染防止
表1:VPN導入が効果的な業務改善シーン

 これらの課題は、どれも多くの企業で共通して見られるものです。特に中小企業では、「セキュリティを強化したいけれど、コストは抑えたい」という要望が多く、VPNはその両立を実現できる現実的な選択肢です。
 VPNを導入することで、社内ネットワークを拠点の外に安全に拡張でき、社員はどこにいても同じ業務環境を再現できます。これは単なる通信技術ではなく、働き方改革を支える基盤でもあります。

導入方式と選び方

 VPNには用途に応じて複数の構成があります。代表的な2つが「拠点間VPN」と「リモートVPN」です。どちらもインターネット回線を利用するため、専用線よりも大幅にコストを抑えられます。

方式概要活用例
拠点間VPN本社と支店を常時接続。社内LANのように利用可能。支店間でのファイル共有/業務システム連携
リモートVPN社員のPCやスマホから社内に安全接続。在宅勤務/出張先からの資料閲覧や更新
表2:主なVPN方式の比較

 レムシステムでは、国内拠点間接続にはYAMAHA製VPNルーター(RTX830/RTX1220)を推奨しています。セキュリティ重視の企業様には、UTM(FortiGateなど)を組み合わせて、通信暗号化だけでなくウイルス検知・不正侵入防止まで対応する構成もご提案可能です。

ファイル便や無料共有を使い続けるリスク

 業務の効率化のために使っている無料ファイル便やクラウドストレージも、実は重大なリスクをはらんでいます。運営企業が不明瞭なサービスでは、データの保存場所やセキュリティ基準が分からず、情報漏えいやマルウェア感染の原因になることもあります。また、ファイルのURLを誤送信してしまうことで、社外に重要データが流出するケースも少なくありません。

リスク領域発生しやすい問題VPN導入による対策
情報漏えい共有URLの誤送信/外部アクセス暗号化通信+アクセス制限で遮断
マルウェア感染不審ファイルのダウンロード正規ルート通信で感染経路を遮断
監査対応操作ログが残らない通信記録を保持し監査報告が容易
業務効率アップ/ダウンロードの手間直接アクセスでリアルタイム編集
表3:無料便や野良共有の主なリスクとVPNによる解決策

導入前によくある質問

 VPN導入を検討されるお客様からは、「今の回線で使えるのか」「セキュリティは本当に大丈夫か」といった不安をよくいただきます。ここでは導入前によく寄せられる質問と、その回答をまとめました。

Q. 今のインターネット回線で導入できますか?
 A. 多くの環境でそのまま利用可能です。速度や安定性を確認した上で最適な構成を設計します。

Q. 情報漏えいのリスクはありませんか?
 A. VPN通信は暗号化されており、外部からの覗き見や改ざんを防ぎます。UTM機器と組み合わせれば、さらに防御層を強化できます。

Q. 社内にIT担当がいなくても導入できますか?
 A. はい。レムシステムでは、設計・構築・設定支援・運用マニュアル整備まで一貫して行います。管理画面の見方や障害対応も丁寧にサポートします。

導入からサポートまでの流れ

 VPNの導入は、ただ機器を設置するだけでは十分ではありません。レムシステムでは、お客様の業務内容と通信要件を丁寧にヒアリングし、最適な構成とスムーズな運用を両立できる仕組みを構築します。設計から導入、運用までを一貫して行うため、途中で仕様が変わる心配もありません。

ステップ内容お客様の作業
1. ヒアリング現状の回線・拠点構成・課題を確認ご要望をお伝えください
2. 設計・構成提案最適な方式・機器選定・セキュリティ方針を決定内容のご確認
3. 構築・設定ルーター設定・VPN接続・テスト運用設置スペースのご用意
4. 運用開始運用マニュアル提供・サポート体制開始日常運用へ移行
表4:VPN導入の基本ステップ

費用とサポート体制

 費用は拠点数・回線速度・セキュリティ要件によって異なります。まずは現状とご要望をお伺いし、個別見積もりを作成いたします。VPNルーターの設定を弊社で行い、設定済み機器をお送りするリモート対応も可能です。現地訪問が不要なため、導入コストを抑えられます。

 レムシステムでは、メーカーに縛られない中立的な立場から、YAMAHAやFortinetなど複数メーカーの機器を取り扱い、最適な性能・コストバランスを重視しています。導入後も構成を熟知したエンジニアが定期的な保守・改善提案を行い、安心して使い続けられる環境を維持します。

 VPNの導入によって、離れた拠点や外出先との距離がゼロになります。ファイル共有、システム運用、リモート対応までを安全に効率化したい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。無料ヒアリングにて、最適な構成と導入イメージをご提案いたします。

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