Windows Server 2025インストール完全ガイド|エディション比較から初期設定・更新手順まで徹底解説

 こんにちは、レムシステム株式会社のエンジニア、小村(@system_kom)です。最新のサーバーOSであるWindows Server 2025は、オンプレミスとクラウドをまたぐハイブリッド構成やセキュリティを強化しつつ、従来のファイルサーバーActive Directory用途でも高い互換性を保っています。

本記事では、評価版ISOの入手からWindows Server 2025のインストール手順を、初めての方でも迷わないよう丁寧に解説します。導入・移行のご相談も承っていますので、社内に最適な構成選定でお困りの方はお気軽にお声がけください。

Windows Server 2025のエディションと準備

 Windows Server 2025 には主にStandardDatacenterDatacenter: Azure Editionのエディションがあります。選定はサーバーの役割や仮想化の規模で判断します。今回は検証環境で試すために評価版(180日)ISOを用意します。本記事の手順は最も利用が多いStandardを例に進めます(Datacenterでも操作は同様です)。

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Windows Server 2025 | Microsoft Evaluation Center
Windows Server 2025 評価版を入手

Windows Server 2025 delivers next-generation security improvements, and hybrid cloud capabilities into a modernized and ...

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 エディションの違いは仮想化権利・ストレージ機能・ハイブリッド連携に大きく影響します。将来の拡張やDR(災害対策)を見据えるなら、いま必要な機能だけでなく数年先の成長も踏まえて選ぶのがポイントです。まずは下の表で要点を俯瞰し、自社の要件に合う方向性を掴みましょう。

項目 Standard Datacenter Datacenter: Azure Edition
仮想化権利(OSE)2 OSEまで無制限無制限(Azure統合強化)
コンテナWindows コンテナ対応大規模向け最適化クラウド連携前提
ストレージStorage Replica(基本)Storage Spaces Direct同左+Azure統合
ネットワーク基本SDN機能高度SDN対応ハイブリッド統合
Shielded VM非対応対応対応
SMB over QUIC一部利用可対応最適構成
主な用途小規模環境大規模仮想化クラウド併用

インストーラーの起動と初期設定

 ここでは、Windows Server 2025 のインストールを行う際に必要となる準備からセットアップの流れを説明します。実際の操作はシンプルですが、環境によって挙動が異なるため、それぞれの工程を確認しながら進めることが大切です。

まず、マイクロソフトの評価版ページからダウンロードしたISOファイルを用意し、それをサーバーにマウントします。仮想環境を利用する場合は、ISOを仮想マシンのCD/DVDドライブに設定し、物理サーバーであればUSBメディアを利用します。

次に、起動デバイスの順序を変更してISOからブートを行います。うまく起動しない場合は、UEFIまたはBIOSの設定でブート優先順位を確認してください。起動に成功すると、「Windows セットアップ」画面が表示されます。

ここからは画面の指示に沿って言語やキーボードを選択し、ライセンス条項に同意後、インストール方法を選択します。既存環境の上書きではなく、通常は「カスタム:Windows のみをインストール」を選びましょう。

続いて、インストールするエディションとディスクの選択を行います。評価やGUI操作を目的とする場合は、デスクトップ エクスペリエンスを選択するのがおすすめです。

主な設定項目は以下の通りです。

項目 操作内容 / ポイント
インストールメディアの選択 ISOファイルをマウント、もしくはUSBブートメディアを利用します。
起動順序の変更 UEFI/BIOSでISOブートを優先。起動しない場合は設定を再確認。
インストールの種類 「カスタム(Windows のみ)」を選択し、新規インストールを実行。
インストール先ディスク 必要に応じて「新規」を選び、パーティションを作成後に「適用」。
エディション選択 GUIを使う場合は「デスクトップ エクスペリエンス」を選択。

インストールが完了すると自動的に再起動が行われ、管理者(Administrator)アカウントのパスワード設定画面が表示されます。ここで複雑なパスワードを設定し、サーバーの初期起動を完了させます。

この段階で、ネットワークの設定やリモートデスクトップ接続、役割の追加など、運用準備を進めることができます。初期設定のポイントについては、次の章で詳しく紹介します。

初回セットアップ

 インストール完了後に行う初期設定をまとめました。特に、ネットワークや時刻設定、ホスト名の設定はActive Directory構築にも関わる重要な要素です。

項目 推奨設定 / ポイント
Administratorパスワード設定初回起動時に強固なパスワードを設定
ネットワーク設定固定IP、DNS指定、不要NICの無効化を行う
ホスト名変更命名規則に沿って設定し再起動(例:SVR-FS01)
時刻同期NTPサーバー設定、タイムゾーン確認
役割の追加AD DS、DNS、ファイルサーバーなど必要に応じて導入
リモート管理設定RDP有効化、ファイアウォール調整で遠隔操作を可能に

これらを最初に整備しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、安定した運用環境を構築できます。特に、時刻設定とDNSはActive Directoryの信頼性に直結します。

Windows Updateの実行

 インストールと初期設定を終えたら、最初に行うべきはWindows Updateの適用です。初期状態のままでは脆弱性が残っているため、最新ビルドに更新して安定した状態を作ります。

手順 操作内容
1設定 → Windows Update → 更新プログラムのチェックをクリック
2検出された更新を適用し、必要に応じて再起動
3累積更新を2〜3回繰り返して最新ビルドへ
4更新完了後にバックアップ(システム状態+ベアメタル)を取得

更新を行う際は、サーバーが再起動される可能性を考慮し、メンテナンス時間を確保して進めましょう。最新のセキュリティ更新を適用することで、運用中の障害や不具合のリスクを大幅に軽減できます。

Windows Server 2025で注目のポイント

 Windows Server 2025では、クラウドとの連携やセキュリティが大幅に強化されました。特に中小規模の企業にとっても導入メリットが大きい改良が多数含まれています。

機能 概要 / 効果
SMB over QUICVPN不要で暗号化通信。拠点間やテレワークで安全な共有が可能。
Storage Replica高速なデータ同期でDRを強化。サイト間レプリケーションに有効。
Azure Arc / Admin Centerオンプレ / クラウドの一元管理と運用の自動化を支援。
強化されたセキュリティCredential Guard / Secure Boot 等の標準化でリスクを低減。

これらの新機能を活用することで、既存のWindows Server環境をより効率的かつ安全に運用できます。クラウドと連携したハイブリッド構成を検討している企業には特におすすめのバージョンです。

よくあるハマりどころと回避策

 Windows Server 2025を導入する際に多くの企業がつまずくポイントを整理しました。導入前に以下を確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

つまずきポイント 回避策/チェック
エディション誤選定 Standardの仮想化制限に留意。将来の拡張が濃厚ならDatacenterを選択。
DNS・時刻設定ミス AD構築前にNTP/DNSの整合性を確認。PDCエミュレーターの時刻同期設計。
更新タイミング 累積更新は業務時間外に計画。再起動を伴う可能性を告知。
バックアップ不足 運用前にベアメタル+システム状態のバックアップを実施・検証。
セキュリティ軽視 RDP制限/多要素認証/監査ログ/脆弱性パッチの運用基準を策定。

特にActive DirectoryやDNSなどの基幹サービスを運用する場合、これらのポイントを軽視すると復旧コストが大きくなります。初期設計段階で設定の標準化を行い、運用フェーズで安定稼働を目指しましょう。

まとめ

 今回の記事では、Windows Server 2025のインストールから初期設定、更新、運用時の注意点までを解説しました。これまでのWindows Serverと比較して、より柔軟な構成とセキュリティ強化が図られており、クラウドとの連携を見据えた環境づくりが可能です。

もしサーバー導入や既存環境のリプレイスで「どのエディションを選ぶべきか」「どんな構成が自社に最適か」とお悩みの場合は、専門の技術者に相談することで確実な導入ができます。レムシステムでは、要件定義から構築・運用まで一貫してサポートを行っております。

社内の安定したITインフラを整える第一歩として、Windows Server 2025を活用した最適な構成をぜひ検討してみてください。

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