【導入事例】YAMAHA RTX840|ベンダー専用ルーターからの脱却とL2TP/IPsecリモートVPN導入(大阪府・ビル清掃業)

YAMAHA RTX840 ベンダー専用ルーターからの入れ替え 導入事例

 こんにちは、レムシステム株式会社のエンジニア、小村(@system_kom)です。今回は、大阪市のビル清掃業様で、事務機器ベンダーの専用ルーターをYAMAHA RTX840へ入れ替えた事例をご紹介します。

 ご相談のきっかけは「今使っているルーターについて調べてほしい」というものでした。調べてみると、ルーターとプロバイダーがベンダーの一括サービスに組み込まれ、ルーターには触れることもできない、いわゆるベンダーロックインの状態でした。その調査から入れ替えまでの流れをまとめました。

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旧ルーターの正体

 設置されていたのは、ベンダーが自社サービス向けにカスタマイズしたルーターでした。調べた結果は次のとおりです。

項目内容
ベース機種YAMAHA RTX810(2018年に生産終了、修理対応は2023年に終了)
管理方法Web GUIなし。コマンドラインのみ
管理権限契約上、ベンダー以外は操作不可。管理パスワードも開示されない
所有レンタル品のため、解約時は返却が必要
表1:旧ルーターの調査結果

 ルーターを替えるだけなら簡単ですが、レンタル品を返却すると、同じ契約に含まれるプロバイダーも使えなくなります。そこで、ルーターの前に契約の全体像を調べました。

契約状況の調査と移行に必要な手続き

 WHOIS・DNSなどの公開情報と設置機器から、どのサービスが一括契約に含まれていそうかを洗い出しました。当初の見立てと、それぞれの移行に必要なことは次のとおりです。

対象当初の見立て移行に必要なこと
ドメイン管理をベンダーが代行指定事業者変更。ベンダー側の承認が必要
回線・プロバイダー一括サービスに含まれる新しいプロバイダーの契約。回線が光コラボの場合は回線の切り替えも必要
ウェブサイト・メールベンダー経由のホスティング解約前のサイト移行。IMAP利用ならメールデータの移行も必要
電話要確認ひかり電話が同じ契約なら、番号を失わないための手続きが必要
表2:契約状況の見立てと移行に必要な手続き

 これらに加えて、更新月と違約金の有無も確認いただくようお伝えしました。一括サービスでは、どれか一つを先に解約すると他が止まる場合があるためです。確認の結果、ドメインとウェブサイト・メールはお客様ご自身の管理だったため、移行はせずそのまま利用しています。今回の切り替え対象は、ルーターとプロバイダーの2つに絞り込めました。

新ルーターの設計ポイント

項目設計内容
機器YAMAHA RTX840(ファームウェア Rev.23)
WAN固定IPのプロバイダーを新規契約し、PPPoEで接続。MTU 1454
リモートアクセスL2TP/IPsec(AES-CBC/SHA-1、NATトラバーサル有効)。5ユーザー・5トンネル
認証ユーザー認証はMS-CHAPv2。ユーザーごとにID・パスワードを発行
名前解決ネットボランチDNSも登録し、固定IP以外でも到達できるように
管理アクセスSSH・Web GUIは当社とお客様の固定IP、LAN内からのみ許可
フィルターWAN側でNetBIOS・SMBなどを遮断し、VPN関連(UDP 500・4500・1701、ESP)のみ自身宛に許可
表3:RTX840の設計内容

 リモートアクセスにL2TP/IPsecを選んだのは、WindowsやiPhone、Androidの標準機能で接続でき、専用クライアントの配布が不要なためです。

事前準備と切り替え

  1. プロバイダーを新規契約し、接続情報を取得
  2. RTX840を当社で受け取り、PPPoE・リモートVPN・フィルターを事前に設定
  3. お客様側でPCのIP設定を確認いただき、社内のアドレス帯を把握
  4. 休日に大阪の本社へ伺い、旧ルーターと差し替え
  5. インターネット接続、リモートVPN接続、外部からの保守接続を確認

 将来はパートナー企業様のネットワークと拠点間VPNで接続する構想があります。その場合、両拠点のLANが同じアドレス帯だと接続できないため、設計時に重複がないかを確認しています。拠点間VPNの設定は、構成が固まった段階で追加する予定です。

引き渡しで大切にしていること

 今回いちばん大切にしたのは、管理情報をすべてお客様にお渡しすることです。管理パスワード、設計書、設定ファイルを納品物としてお送りし、社内のファイルサーバーなどで保管いただくようお願いしました。これで、将来どの業者に保守を依頼しても困ることはありません。

導入効果

項目導入前導入後
ルーター修理対応終了機種ベースのレンタル品現行モデルのRTX840(自社資産)
管理ベンダー以外は操作不可管理情報・設計書・設定ファイルが手元に
リモートアクセス—L2TP/IPsecで5ユーザーが接続可能
拡張機能追加はベンダー次第拠点間VPNなども自社の判断で追加可能
表4:導入前後の比較

レムシステムのネットワーク移行支援

 レムシステムでは、ベンダーの一括サービスや前任者が構築したネットワークの調査から、ルーターの選定・設定、切り替え、運用保守までを一貫して対応しています。「今のルーターがどうなっているか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

 静岡県・東海エリアを中心に、関西など遠方へも現地対応しています。オンラインでのご相談も承っています。

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