nginxでPHPの処理速度を簡単にアップする、OPcacheとAPCuのインストール。

CentOS, Linux, Nginx, php

nginx-op-apcu-top
今回は、nginx環境へWordPressを導入するための前回の記事
>「nginx環境へWordPressをインストールする時の注意点。パーマリンクの設定に気を付ける。」
で作成したWordPressが動作しているnginx環境を利用して、更にWordPressを高速化するためのphp用パッケージであるOPcacheとAPCuを導入します。OPcacheとapcuはPHPアクセラレータと呼ばれるphpを高速化させるためのソフトウェアです。OPcacheはコンパイルしたphpのコードをメモリに保存しておく仕組みで、アクセス毎のスクリプト読み込みを回避します。APCuも同じくキャッシュを行うソフトウェアになり、こちらはコードではなくデータをキャッシュ(共有メモリにデータを保存する)します。

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纏めると

  • OPcache … コンパイルしたコードをキャッシュ
  • APCu … データのキャッシュ

という機能を提供します。
Apache環境にOPcacheとAPCuを導入した記事
>「WordPressの高速化に。ApacheのeventMPMとphp-fpmを利用してウェブサイトの速度を向上する。」
では、大幅なパフォーマンス向上が確認できたことから、nginx環境でも大幅なパフォーマンス向上が期待できます。WordPressやPHPを利用しているサイトの高速化に、是非、試して頂きたい方法です。

1.OPcacheとapcuを導入する環境

OPcacheとAPCuをインストールする環境はnginx環境へWordPressの導入手順を紹介した記事
「nginx環境へWordPressをインストールする時の注意点。パーマリンクの設定に気を付ける。」
で紹介していますが、確認の意味で再度纏めておきます。基本的な環境は以下の通りです。

  • OSのバージョンはCentOSで最新のバージョン7.5を利用しています。(2016年7月現在)
  • ウェブサーバーとしてnginx1.15.0がインストールされています。(2018年7月現在、mainline最新版)
  • nginxは基本的な設定が完了して、バーチャルホストが二つ設定されています。
  • バーチャルホストは”www.testdom.com”と”www.testdom2.com”になります。
  • phpとphp-fpmの7.2系がインストールされて、テスト用のwordpressサイトが表示されています。
  • Let’s Encrypytを利用してHTTPS通信の機能を有効化しています。
  • サーバーはインターネットへ接続されており、グローバルIPアドレスが一つ、割り当てられています。
  • ファイアウォールとしてfirewalldを設定しています。

この環境を前提にOPcacheとAPCuのインストールを進めていきます。インストールするOPcacheとAPCuは以前の記事
「CentOS 7のnginxでPHP7を利用する。最短でPHP7系の環境を構築する手順。」
で導入したphpと同様に7.2系を利用します。(2018年6月時点では7.2.6)

2.OPcacheインストール前のphp情報を確認

現状のphpについて情報を確認します。OPcacheをインストールすると、”php -v”実行結果の”Zend Engine”の部分が変更されます。先ずはインストールを行う前に出力内容を確認しておきます。

上記のようにバージョンが表示されれば、phpの情報確認は完了です。この時点ではOPcacheに関する情報は表示されていないことを覚えておきます。

3.OPcacheとAPCuパッケージのインストール

インストールするパッケージの情報が確認できましたので、ここからは実際にOPcacheとAPCuの導入について説明を行います。

3-1.OPcacheとAPCuパッケージ情報の確認

OPcacheとAPCuパッケージのインストール前に、パッケージの情報を確認しておきます。php7.2系のOPcacheとAPCuはremiレポジトリに含まれるため、確認コマンドの実行時にremiレポジトリを参照するように指定します。パッケージ名は

  • OPcache … php-opcache
  • APCu … php-pecl-apcu

になります。以下のようにyumを実行します。

実行結果は以下の通りです。各パッケージの役割などを確認しておくと、インストールするパッケージの意味合いをイメージしやすいと思います。

上記のように7.2系のOPcacheとAPCuが表示されることが確認できました。この2パッケージをインストールしていきます。

3-2.OPcacheとAPCuパッケージのインストール

パッケージはyumコマンドにinstallオプションを付けることでインストールすることができます。項目3-1.で必要なパッケージの情報が確認できましたので、以下のコマンドでインストールします。

上記ではyumコマンドに”-y”オプションを付けることでインストール時の確認応答を省いています。コマンドを実行すると、以下のようにインストールが開始されます。

エラーがなく、”完了しました!”と表示されればOPcacheとAPCuパッケージのインストールは完了です。

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3-3.インストールしたパッケージの確認

OPcacheがインストールされたことを確認します。インストールされているパッケージはyumコマンドで確認できます。以下のようにyumを実行することで、OPcacheパッケージがインストールされていることを確認します。

出力結果として、以下のOPcacheパッケージが表示されることを確認します。

次にAPCuパッケージがインストールされたことを確認します。同じくyumで確認を行います。

出力結果として、以下のAPCuパッケージが表示されることを確認します。

これでインストールしたパッケージの確認は完了です。

4.phpコマンドによるOPcacheとAPCuの確認

パッケージのインストールと確認まで完了しましたので、ここからはphpコマンド利用して、OPCacheとAPCuが有効になっていることを確認します。

4-1.OPcacheの確認

OPcacheが動作しているかの確認はphpコマンドに-vを付けて実行します。以下のような結果になります。

項目2.では Zend Engineと表示されていた部分が”Zend OPcache”に変更されていることが確認できます。

4-2.APCuとOPcacheの設定確認

続いて、APCuとOPcacheの設定を確認します。phpコマンドに”-i”を付与して実行します。-iを付与することでphpの情報を出力することができます。ここでは設定確認として、出力された情報に含まれる文字列”apc”と”opcache”のみを抽出します。以下のように実行します。

出力結果は以下のようになります。

上記からphpにOPcacheとAPCuが組み込まれていることが確認できました。本パラメータは運用環境に合わせて変更することで、よりパフォーマンスを引き出すことが出来ますが、デフォルトでも十分にパフォーマンスは向上しますので、変更は行わない前提です。これでphpコマンドによるOPcacheとAPCuの確認は完了です。

5.OPcacheとAPCuの有効化

項目4.まででOPcacheとAPCuの導入が完了しましたので、機能を有効化する手順を説明します。

5-1.php-fpmの再起動

OPcacheとAPCuのキャッシュ機能を有効にするためにphp-fpmを再起動します。systemctlコマンドを以下のように実行します。

再起動後にphp-fpmのステータスを確認します。

php-fpmが正常に再起動していることが上記から確認できます。

5-2.nginxの再起動

php-fpmと合わせて、念のためにnginxも再起動を行います。

エラーが出力なければ、nginxは正常に再起動しています。念のためステータスを確認します。

上記の結果からnginxは正常に再起動していることが確認できました。これでOPcacheとAPCuの有効化は完了です。

6.パフォーマンスの比較

ここまででOPcacheとAPCuの導入と機能の有効化が完了しました。実際のどの程度、パフォーマンスが向上したかをApacheに付属しているApache Benchコマンド、”ab”で測定してみます。abはApacheを導入すると同時にインストールされます。ここでは環境として、別のサーバーから、OPcacheとAPCu(+ php-fpm)を導入したサーバーを測定するようにしています。

6-1.nginx OPcacheとAPCu導入前のテスト

先ずはOPcacheとAPCuが有効ではない状態でのテストを行います。abコマンドにはオプションとして”-n”と”-c”を指定します。-nはリクエスト総数を指定します。-cは同時接続数になります。本記事では100リクエストを同時接続10ユーザーを前提としてテストを実行しました。(
結果は以下のようになりました。
OPcache APCu 導入前のabテスト

本テストでは以下の項目に注目しました。

  • Time taken for tests: 19.797 seconds
  • Requests per second: 5.05 [#/sec] (mean)

”Time taken~”はテストの所要時間、”Requests per~”は秒間でどれだけのリクエストを処理できたかを示す項目になります。上記から従来の構成では、テストの所要時間は約19.8秒で、1秒間に処理できたリクエストは約5になります。

6-2.nginx OPcacheとAPCu導入後のテスト

続いて同じ条件でOPcacheとAPCu導入後の環境についてテストを行います。本テストにはキャッシュが利用されますので、導入前よりパフォーマンスが出ることが期待できます。結果は以下のようになりました。
OPcache APCu 導入後のabテスト

本テストでは以下の項目に注目しました。

  • Time taken for tests: 4.210 seconds
  • Requests per second: 23.75 [#/sec] (mean)

”Time taken~”はテストの所要時間、”Requests per~”は秒間でどれだけのリクエストを処理できたかを示す項目になります。上記から従来の構成では、テストの所要時間は約4.2秒で、1秒間に処理できたリクエストは約24になります。
本テスト環境ではキャッシュが有効になっているため、php-fpmのみの場合と比較して、所要時間で約5倍、リクエスト数は約4倍と大きなパフォーマンス向上が確認できました。
このことからOPcacheとAPCuについては、nginx環境でのWordPressの速度向上に大きな効果があると思われます。

7.まとめ

nginx環境でのWordPressのパフォーマンスを向上するために、PHPアクセラレータの導入を紹介しました。
速度と処理できるリクエスト数は大きく向上しましたが、nginxの強力な機能であるキャッシュについては、及びませんでした。nginxのキャッシュ機能は処理速度を大きく向上できる強力な機能です。OPcacheとAPCuと同時の利用もできますので、まずは本記事で紹介したPHPアクセラレータを導入してみて下さい。
これだけでも体感でわかる程に、パフォーマンスが向上します。
次の記事ではnginxの強力なキャッシュ機能である、FastCGIキャッシュについて紹介していきます。お楽しみにして下さい。

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