Linux サーバー構築

Linux OS Debian 9.9をインストールして評価環境を作成する

2019年6月21日

debian99-stretch-install-top

Linux OSは複数のディストリビューションがあり、選択肢に悩みます。そんなLinuxのディストリビューションですがDebian(デビアン)を利用している環境はあまり見かけたことがありません。弊社では少し前までDebianの使いやすさを気に入って、ウェブサーバーやネームサーバーなどのインターネット系にはよく利用していました。
お客様に提供する環境としてCentOSを希望される場合が多いので、現在はCentOSがメインのLinuxディストリビューションになっていますが、Debianもとても良いLinuxディストリビューションだと思っています。

今回の記事ではお勧めの意味も込めて、Debianのセットアップまでを紹介していきます。
Debian Linuxの最新安定版はバージョン9.9でコードネームはstretchになります。(9.9ではなく9系全てのコードネームがstretch) 2019年4月27日にリリースされたばかりです。
Debianの9系は最初のリリース日が2017年6月になることからLTS(Long Term Support)が2022年の6月まであります。時期の安定板である10系(コードネーム:buster)のリリースが2019年7月の予定になっていますが、現時点ではリリースされていませんので、本記事ではstretchの最新リリースである9.9を導入する前提で進めていきます。

1. Debian 9.9 stretch インストールの概要

Debian 9.9はグラフィカルなインストーラーが付属していますので、インストールは比較的、容易に完了します。
Debian 9.9をインストールする環境ですが、本記事ではVMWare上に作成した仮想マシンにインストールを行います。GUI(デスクトップ環境)を利用しない場合、サーバーのリソースは余り利用しませんので、メモリは512MBローカルディスクは20GBのものを接続しています。
無償の仮想環境を作成する記事はこちら

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システムは64bitを利用します。Debianでは32bit版も用意されていますが、敢えて32bit版を利用する意味はないので64bitにしています。
インストール時のディスクパーティションについては自動を選択します。
またインストール時インターネットに接続するための環境が必要になります。本環境ではDHCPを利用しています。
それでは次章からDebian 9.9の具体的なインストール手順を説明していきます。

2. Debian NETINST isoファイルのダウンロードと保存

Debian 9.9のインストールメディアはDebianの公式サイトからダウンロードできます。Debianのインストーラーは幾つか用意されていますが、インターネットに接続されている環境でのセットアップはサイズの小さいNETINSTをお勧めします。
NETINSTではインターネットから必要なパッケージをダウンロードしてインストールする形になりますので、フルインストーラーと比較して容量が小さいインストーラーが利用できます。
本記事でもNETINST用のisoを利用します。
今すぐにインストールを試してみたいけど、メディアがない...という場合でも、NETINSTの場合、200MBほどのisoファイルをダウンロードするだけで開始できます。

2-1. isoファイルのダウンロード先

DebianのNETINST用isoファイルダウンロード先は

になります。本記事で利用するのは64bit環境のため、表示されたダウンロードページから「amd64」をクリックするとNETINST用isoファイルがダウンロードされます。

linux-debian-install-download

ダウンロードするisoファイルの容量は200MBと小さいものになりますので、低速な回線でもダウンロードに時間は掛かりません。

2-2. ダウンロードしたisoファイルファイルを保存とメディアの作成

NETINST用isoファイルのダウンロードが完了するとすると、ファイルを保存する場所を確認するダイアログが表示されます。任意の指定先にisoファイルファイルを保存します。Debian 9.9.0のインストール対象がVMWareなどの上で動作する仮想マシンの場合はisoファイルを直接、仮想マシンのドライブにマウントできるオプションがありますので、isoファイルのまま利用することができます。
仮想マシンではなく、物理マシンへのインストールを行う場合、ダウンロードしたisoファイルをライティングソフト(利用しているOSがWindows 7以上の場合、OSにisoファイルをライティングする機能が用意されています。)でDVDなどのメディアに書き込んで、インストールメディアにして下さい。ファイルサイズが大きいため、DVDを利用する場合にはDVD-R DL など6.6GB以上の容量があるものを選択してください。
最近ではUSBにisoを書き込むことができるソフトウェアもありますので、そういったものを利用することもできます。※インストール対象マシンがUSBからのbootをサポートしている場合に限ります
本記事ではVMWare上の仮想マシンにisoファイルを直接マウントして利用します。

3. Debian インストーラーの起動

インストール用メディア(isoファイルやCD/DVDメディアなど)が準備出来たら、他のOSをインストールするのと同じようにメディアをマシンにセットして、メディアからブートしてインストーラーを起動させます。

3-1. メディアのマウントとマシンの起動

本環境はVMWare環境のため、仮想マシンにisoファイルを直接マウント(物理マシンの場合は光学ドライブへ作成したインストールメディアを挿入)して、インストール対象のマシンを起動します。
インストールメディアを読み込むと、Debian 9.9のインストーラー起動メニューが表示されます。

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表示された画面から「Graphical install」を選択します。

4. Debian セットアップ

本章からはDebianをセットアップする上で必要となるインストーラーの項目を一つづつ説明していきます。

4-1. インストール言語の選択

インストーラーが起動されるとインストールプロセスに利用する言語を選択する画面になります。

linux-debian-install-02

セットアップでは日本語を利用するため、画面をスクロールさせて"Japanese 日本語"を選択します。「Continue」をクリックします。

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4-2. 場所の選択

タイムゾーンやシステムロケールを選択するために、システムが設置されている場所を選択します。本環境では"日本"を選択します。

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4-3. キーボードの設定

システムで利用するキーボードの設定を行います。利用するキーマップから利用したい言語のキーボードを選択します。

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ここでは、キーボードレイアウトを設定します。"項目4-2. 場所の選択"で「日本語」を選択している場合、自動的に日本語が表示されています。表示されているレイアウトが日本語の場合には変更不要です。本環境でも変更はしません。

4-4. ネットワークの設定

言語と地域の指定後にはネットワークの設定を行います。本環境では前提としてDHCP環境になりますので、IPアドレスの設定については自動的に行われます。

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4-4-1. ネットワークの設定

Debianのシステムにホスト名を設定します。デフォルトでは"debian"が指定されています。

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本環境では"debian9"を設定しています。ホスト名は任意になりますので、運用や環境に合わせて設定を行って下さい。

4-4-2. ドメイン名

ドメイン名を設定します。設定値は任意になります。本環境では"rem-system"を設定します。

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内部向けのDNSを運用されている場合などはDNSに合わせた設定を行うことをお勧めします。

5. ユーザーとパスワードのセットアップ

ネットワークの設定後には、システムの管理に利用するrootユーザーと、通常の運用で利用する一般ユーザーの作成を行います。

5-1. rootパスワードの設定

システムの管理者(rootユーザー)のパスワードを設定します。
Linuxではrootと呼ばれるシステム管理者のアカウントが存在します。rootはシステムに対してフルアクセス権を所有しています。画面に表示されている「rootのパスワード」にパスワードを入力します。

linux-debian-install-11

確認のために同じパスワードをもう一度、入力します。
出来るだけ難しい組み合わせ(10文字以上で、数字と英大文字・記号を含む形)をお勧めしますが、評価環境の場合などはそれほど難しいパスワードでなくとも良いと思います。尚、rootのパスワードは後から変更が可能です。
設定後に「続ける」をクリックします。

5-2. 一般ユーザーの設定

rootパスワードの設定が終わったら、続いてroot以外の操作を行う一般ユーザー(非管理者権限)の設定を行います。ユーザーの本名(フルネーム)を入力します。"rem-system"を入力しています。

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続いてユーザーアカウント名を設定します。システムへログインの際に指定するユーザー名になります。"rem-system"を指定しています。

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ユーザーに設定するパスワードを入力します。同じものを2回入力します。

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「続ける」をクリックすると一般ユーザーの作成が完了してインストールプロセスが進行します。ここで作成したユーザーを通常の運用では利用します。

6. ディスクのパーティショニング

ディスクの論理的な分割を設定します。本記事ではLVMを利用して、分割方法には自動的なパーティショニングを行います。利用目的によって/varパーティションや/homeパーティションを分割したい場合には手動で行います。

6-1. ディスクのパーティショニング

Debianシステムをインストールするディスクのパーティショニング(論理的に分割)を設定します。パーティショニングの方法は以下の4つになります。

  • ガイド - ディスク全体を使う
  • ガイド - ディスク全体を使いLVMをセットアップする
  • ガイド - ディスク全体を使い、暗号化LVMをセットアップする
  • 手動

パーティショニングは用途によって分けることでデータの保全性を上げることができますが(WindowsでOSとデータ領域を分割するのと同じイメージ)単一ディスクの場合はそれほど意味がありません。

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LVMについてはディスク領域の追加や削除などが容易になるため、ここでは

  • ガイド - ディスク全体を使いLVMをセットアップする

を選択します。

6-2. ディスクの選択

パーティショニングするディスクを選択します。Debianのインストールを行うことが出来るディスクが表示されます。単一ディスクのため、表示されているディスクが自動的に選択されます。

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ディスクが表示されない場合、ストレージコントローラー(例えばRAIDコントローラーやSASコントローラー等)のドライバがDebianのインストーラーに含まれていませんので、これから先へ進めることはできません。ここではドライバの追加手順は割愛して、ディスクが表示されている前提で先へ進めます。

6-3. 自動構成パーティーションの構成

選択したディスクをどのように分割するかを選択します。本記事では「すべてのファイルを1つのパーティションに(初心者ユーザには推奨)を選択します。1つのパーティションの場合は"/(root)"パーティションのみで構成されます。

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/homeパーティションの分離など、パーティションを分割する場合には別のものを選択してください。

6-4. ディスクへの書き込み確認

パーティションを分割する前に確認が表示されます。「はい」を選択します。

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6-5. パーティションとマウントポイントの概要が表示されます。

自動構成のパーティーションの場合、以下のような構成になります。(20GBのローカルディスクの場合)

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基本的なパーティーション形式はLVMで、ファイルシステムはxfsです。(/bootは除く)LVMにしておくと、後で動的にディスク容量を追加、削除出来たりするため、管理が容易です。

  • マウントポイント/boot ext2 254.8MB 標準パーティーション
  • マウントポイント/ ext4 20.7GB LVM (VG:debian9-vg LV:root)
  • スワップ スワップ 536MB LVM (VG:debian9-vg LV:swap_1)

上記はディスク容量(スワップはメモリ容量)によって可変しますが、容量以外の構成は変わりません。
「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」を選択して「続ける」でインストールプロセスを進めます。

6-6. 変更のサマリと書き込みの確認

ディスクへの変更作業サマリと、変更に対する最終的な確認を行います。「はい」で先へ進めます。

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これでディスクのパーティショニングについて設定は完了です。

7. パッケージマネージャの設定

Debianで利用するパッケージマネージャ"apt"の基本的な設定を行います。aptはyumのようなパッケージを行うマネージャでインターネットからパッケージをダウンロードするため、ダウンロード先のアーカイブミラーや場所を指定します。

7-1. パッケージマネージャで管理するCD/DVDの確認

インストールに利用するCD/DVDを確認します。また追加でパッケージマネージャによって利用されるディスクがある場合には検査を行うことができます。NETINSTは最小の構成で追加のメディアはないため、ここでは「いいえ」を選択します。

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7-2. アーカイブミラーの選択

アーカイブミラーはCentOSのレポジトリのようなもので、aptでパッケージを取得する先になります。ネットワークからソフトウェアをダウンロードする際にネットワーク的に一番近い場所を選択します。「日本」に配置するシステムのため、「日本」を選択します。

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日本に配置されたDebianアーカイブミラーから最適な場所を選択します。画面に"ftp.<国コード>.debian.org"が良い選択と記載されていますので、そのお勧めに従います。(国コードは日本の場合jpになります。)

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7-3. プロキシの設定

インターネットに接続するためにプロキシが必要になる場合は、ここで設定を行います。本環境ではプロキシは利用しないため、設定を行いません。

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上記を選択するとaptの設定が始まります。これでパッケージマネージャの設定は完了です。

8. popularity-contestの設定

popularity-contestは利用したパッケージの統計をdebianの開発者に匿名で提供するシステムです。今後のdebianディストリビューションのパッケージ設計に利用される機能です。少しでもオープンソースに貢献するために本記事では「はい」にしました。

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9. ソフトウェアの選択

インストールするdebianの利用目的にあったソフトウェアを選択する画面です。デフォルトでは以下の画面の項目

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が選択されています。
ソフトウェアは以下の基準を元に選択します。

  • 必要性がない場合にはデスクトップ環境を利用しない
  • プリンタサーバを利用しない
  • リモートによる管理を行う

上記に合わせて、デスクトップ環境とプリンタサーバからチェックを外し、変わりにリモートで利用するために「SSHサーバ」にチェックを入れます。以下のように変更を行いました。

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※利用する目的に合わせて適宜、選択して下さい。
選択するとソフトウェアの選択とインストールが開始されます。

10. ブートローダーのインストール

ハードディスクにインストールするOSが一つしかない場合にはブートローダーをインストールします。
本環境ではハードディスクに他のOSはインストールされていませんので、「マスターブートレコードにGRUBブートローダーをインストールしますか?」
に「はい」を選択します。

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ブートローダーのインストール先を選択します。通常、インストール先が表示されていますので、手動で選択する必要はありません。ここでは表示されている"/dev/sda"を選択します。

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これでdebianのインストールは完了です。

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「続ける」をクリックすると、システムの再起動が開始されます。
再起動するとログインプロンプトが表示されます。これでシステムの起動まで完了しました。

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"項目5-2. 一般ユーザーの設定"で作成した一般ユーザーのユーザー名とパスワードでDebianへログインしてください。
シェルプロンプト”$"が表示されれば、ログインは完了です。

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11. まとめ

本記事ではのディストリビューションであるDebian 9.9のインストールを紹介しました。Debianは通向きのLinuxディストリビューションですが、使ってみるとパッケージ管理の強力さや、CentOSなどと比較して新しいパッケージが標準で利用できる、使いがっての良いコマンド群など、独自のメリットがあります。
構成もシンプルで利用しやすいLinuxディストリビューションだと思いますので、興味がある方は、是非とも利用してみて下さい。意外とCentOSよりも気に入ってしまうかもしれません。


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小村定

SIerでIT系インフラの設計と構築を経験したのちに独立、「レムシステム株式会社」を設立する。インフラ系エンジニア歴20年の経験を活かしてITに関わる課題解決や効率化に取り組む日々を送っている。

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